2012年01月17日

斜里平野に残る防風林は原生林

<山と畑と防風林が斜里の特徴>

斜里平野を一望できる「深呼吸の丘」から見渡すと斜里岳のすそ野の広さ、オホーツク海、そして防風林によって区分けされた幾何学模様がこの景色の大きな魅力となっている。

北海道の北海道らしい風景を想像したとき、この防風林は欠かせないポイントである。

農家の人たちが畑を風から守るために、あるいは境界のためにカラマツやポプラ、シラカバを植えて育ててきた。

しかし、斜里平野ではかつて、農地開拓の人たちが入植する前に、この斜里平野を覆っていた原生林を帯状に残して防風林として利用している部分が多い。

当然、幅は広い。所々は道路で切断されている。

この防風林は、個人の農地ではなく管理するのは林野庁。つまり国有林なのである。

その防風林には、季節になるとオオバナノエンレイソウやオオウバユリと言った広い畑作地帯では見ることの少なくなった植物も健全に残っている。

もちろん、樹木の種類も豊富で美しい。小さな動物にとっても貴重な空間である。

斜里町の農業施設でもある「みどり工房しゃり」はこの防風林を活かしてキャンプ場を設置している。広い芝生と、様々な樹木の防風林の組み合わせがすばらしく、さらにはその防風林の中を散策できる木道も設置されている。

この防風林には湿地もあり、一歩中へはいるとかつての「森」が広がるのだ。とても短い散策道路ではあるけれど多様な樹木の木漏れ日と葉っぱの音が心地よい。

北海道には「里山」の歴史は少ない。残念ながら、農地開拓の事業の中で切り開かれて森は消えていった。

人の営みと隣接する森が少ないが、斜里の防風林はまさに、里山の役割を果たしていると思う。住んでいる人にとっては当たり前の環境なのだ。

もう一度、斜里平野を俯瞰してほしい。

パッチワークのように広がる平野の中にあって、層の厚い緑の帯をたどれば、斜里岳のすそ野からオホーツク海をつないでいる。

こんなに立派な防風林がここにはあることをあらためて自慢したい。(さ)


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