2010年02月05日
熱気球に夢乗せて
<バルーンフェスティバル>
<大空に上がる熱気球>
冬のスカイスポーツを楽しむグループが小清水町にある。小清水熱気球クラブである。現在のメンバーは全部で20人。農業や商業、団体職員などが集う、1991年(平成3)にできた夢を追うグループである。
そもそものきっかけは1985年(昭和60)に日本気球連盟が道東の地で気球に適した場所探しをしていたことから始まる。農業を営む松井裕悦さんのところに連盟から気球のテストフライトのために農地を貸してもらいたいという依頼がきた。畑を使用する条件として自分も熱気球というものに乗せてもらいたいと松井さんが提案した。冬の大空にゆっくりと上昇する気球に乗って、その面白さはもちろんのこと、これまで見たこともなかった小清水町の雄大な風景に感動した。それから松井さんは仲間づくりに奔走する毎日が続いた。
北海道で熱気球を楽しんでいるグループは7カ所あるが、気球から流氷が見えるというのは珍しい。それが小清水の特長でもある。高度約2000フィートの気球からの眺めは旅客機から地上を見るのとはまったく違う。斜里岳が目の前にあるような錯覚を感じたり、地上を走るシカやキツネや眼下に飛ぶ鳥もはっきり見える。気球が降下するときなど、雪が下から降ってくるように見えるという。
熱気球のパイロットにも操縦ライセンスが必要で、日本熱気球連盟認定の免許を現在13人が取得している。保有する熱気球は13機。気球1機にライセンス取得者が最低1名が乗り込む。小清水町は平成3年にスカイスポーツ基地構想という事業を開始し、ふるさと創生事業の資金の一部で熱気球を購入するという力の入れようである。
熱気球の本体は直径が約15メートル、内部の容積は約2,200立方メートル。最初に巨大な送風機で気球の内部に風を送り、ある程度膨らませてからバーナーに点火し気球の内部に熱を送る。あとは暖かい空気は上昇するという性質を利用して気球が浮き上がる、という仕掛けである。しかし、熱気球の上昇する力はなかなかのものである。
気球の重量が約70キロ、燃料のプロパンガスボンベが3本で70キロ、点火用のバーナーと籐製のゴンドラなどの機材が50キロ、それに乗員4人として総重量は500キロに達する。これがゆっくりと空中に舞う。ロープをつけた係留の飛行も行うが、このときには4台の車にロープをつなぐという。それくらい力が強い。降下をするときはバーナーの点火を止めれば自然に降りることになるが、高度の調整用としてリップと呼ばれる7メートルほどの蓋が気球の天井部分についていて、ひもを引くと蓋が開いて内部の暖かい空気が抜け、気球は一気に高度を下げることができる。こうした飛行高度の調整をしながら、静かに着地するのがパイロットの腕の見せどころでもある。
小清水熱気球クラブでは12月から翌年3月までの冬期間、活動を続けている。離陸場所は小清水町市街の多目的運動場になったが、着地点はどこかの畑になる。その時の気象によって着地点が変わる。冬期間はほぼ北西の風が吹くこの地方、気球は斜里、清里方向に向かうのが普通だが、オホーツク海へ向かう南風が吹いている場合や、風速5メートル以上になるとフライトは中止である。一般の人たちの有料体験も歓迎してくれるが、気象のコンデションが万全な日を待つゆとりが必要である。(ひ)





