2010年03月12日

神秘の峠、裏摩周展望台と神の子池(清里峠)

清里峠は清里町と中標津町の境界に位置し、さらに網走支庁と根室支庁の境界にもなっている峠である。清里峠の標高は434メートルで、中標津方面から車で走ってくると、なだらかな上りの直線路が峠の直前まで続き、峠道をドライブしている感じが少ないが、清里町側では一転してコーナーが連続する道に変わる。

おそらく周辺の地形が関係していると思われるが、頂上を境にこれほどまでに、対照的な道路状況見せる峠は珍しいのではないだろうか。

<湖水と空の青さが爽やかな夏の裏摩周展望台からの光景>

この清里峠の頂上付近から分岐する道を進むと裏摩周展望台がある。霧に眠る神秘の湖・摩周湖は弟子屈町にある第一、第三展望台から眺めるのが一般的だが、裏摩周展望台からの摩周湖は格別な姿を見せる。

1931年(昭和6)に実施された調査で41.6メートルという透明度を記録して、世界一の透明度を誇る湖となった摩周湖だが、大気汚染などの影響か近年の調査では20メートル前後と透明度が半減してしまった。しかし、今でも青く澄み渡った湖水は神秘的な輝きを見せ、裏摩周展望台から見ると、左手から湖に張り出すようにそびえ立つカムイヌプリ(摩周岳)の姿がひときわ美しい。さらにカムイヌプリの山容からは、摩周湖が火山活動から形成されたカルデラ湖であることがうかがい知れる。

この摩周湖の伏流水を水源とする周囲220メートル、水深約5メートルの小さな池が神の子池である。池の水温度は年間を通じて8℃前後で冬でも結氷することがない。アイヌ語でカムイトー、神の湖と呼ばれる摩周湖の水が湧き出す場所なので、神の子池と呼ばれるようになったらしいが、原生林に囲まれた池の水は色鮮やかなエメラルドブルーで、その名前にぴったりの神秘的なムードをかもし出す。

池を上からのぞくと、澄み切ったブルーの水の中には何本もの倒木が重なり合うようにして沈み、その間を人目も気にせずに悠々と泳ぐオショロコマの姿も見える。さらに池に近寄ってみると、底の方には砂を巻き上げながら水が湧き出している場所が何カ所もあり、神の子池が伏流水によって成り立つ池であることがよく分かる。

神の子池の入り口は清里峠を清里町方面に約8キロ下った場所にある。林道入り口に立つ「神の子池」の看板を確認後、ダート道を2キロほど進む。冬季は除雪が入らないので、車では行けないが、クロスカントリースキーやスノーシューのコースとして、雪上を歩いて神の子池に行くのも楽しい。(く)

<神秘的なエメラルドブルーの水をたたえる神の子池>