2010年03月19日
流氷が消える?
<昔は巨大な流氷が押し寄せたのだが>
18年前の1989年(平成元)3月2日。気象台は「オホーツク海の流氷の岸寄りはありません」という海氷情報を出した。もう、流氷は見られませんよ、という宣言だった。これにはオホーツク沿岸の人々は、たまげてしまったが、この冬3月3日、気象台は海明け宣言をさかのぼって2月15日と発表した。
これは18年前と同じような絶望宣言であって、深い悲しみを感じてしまうほどだった。2月15日と言ったら、もっとも流氷の多い頃で、流氷出現確率97パーセントのはずなのである。いったい流氷はどうなるのか。
今冬の流氷は、2月5日初日で翌6日が接岸初日となった。だが、初日も接岸も、えーっ、これがと言うほど勢力の弱いものであった。気象衛星からの資料で示される流氷図は、海面積の流氷を示しているものの、厚さなどの勢力は不明で、平坦な薄いものであったと推測される。
1月20日から流氷観光砕氷船「おーろら」は、運航を始めたが、流氷に出会った日数はわずかに12日であった。これは運航20年のシーズンで、もっとも確率の低いものであった。
7年ほど前に、「2100年流氷が消えた海」というタイトルのシンポジウムが、斜里町で開かれた。このとき研究者の一人は、地球温暖化の兆候が最初に現れるのはオホーツク海と述べていた。百年後に海水温が2度以上上昇すると予測していたのだった。ところが2100年から94年も早い今年に兆候が現れ始めたのだ。
流氷が来ないということは、観光だけでなく動植物、漁業、農業にも影響する。18年前の流氷ゼロ年は、オホーツク沿岸の人々にとってはショックであり、自然が変貌しつつあるという現実は脅威だった。
今冬の流氷退去も重い現実を私たちに突きつけている。もちろん、自然は揺り戻し現象を見せるだろうが、流氷の減退、消滅は年々現実味を帯びてくるだろう。流氷が危ないと言い続けてきた、オオカミ少年ならぬオオカミ老年の私だが、まだまだ警告を叫び続けて行かなければならない。(き)





