2010年11月01日
赤イモほど花が白いジャガイモ

<北浜のでんぷん工場>
国道244号線を斜里から網走方面に走ると、濤沸湖の対岸の丘ににょっきりと白亜のビルらしきものが見える。実はこれはオホーツク網走農業協同組合のでんぷん工場である。遠くからでも見える塔は2つのでんぷんの貯蔵サイロ、地上55メートルもある巨大施設である。
この工場は昭和44年に現在の北浜に移転されて以来、37年間馬鈴薯でんぷん工場として操業を続けている。機械化もどんどん進み、今では原料イモから製品化までの行程はほとんどオートメーションになっている。
秋の収穫時期ともなると、近隣の農業家から毎日トラックでジャガイモが運ばれてくる。工場の原料処理能力は一日に約1,300トン、でんぷん製造量は1日250トン。1袋25Kg入りのでんぷんが1万袋も製造が可能である。
運ばれてきたジャガイモは土砂や小石などを洗い落とし、すぐにウルトララスプという機械で細かく砕かれる。それをでんぷんを含んだ液とイモのカスに分ける。
この段階ではまだ水分が38%もあるドロドロの液体である。それを真空脱水機という回転する巨大なドラムにかけると水分17%の粉状のでんぷんになる。それをさらに製粉機にかけて最終的な製品となる。原料の搬入から最後の製粉まで3~4時間の短時間の行程である。
工場の機械は9月1日から11月23日まで稼働するが、実際オートメ化された工場内では集中監視室で係員が大きな計器パネルを注視している姿しか見られない。最終工程を終えたでんぷんは、前述の巨大サイロに運ばれて袋詰め作業の日まで貯蔵される。
でんぷんの用途だが、利用は広範囲でさらに意外なところで使われている。食品ではソーセージ、かまぼこ、チクワ、さつま揚げ、中華そば、うどん類、シューマイの皮、菓子類にはビスケット、焼きパン、アイスクリーム、ケーキ、羊かん、チューイングガム、キャラメル、ベーキングパウダー、医薬品、切手用のり、粘着テープ、印刷インキなどさまざまである。最近では異性化糖としてジュースなどの清涼飲料にも使用されている。
最後に原料となるジャガイモだが、これは種類が比較的しぼられる。でんぷん質の多いコナフブキ(18~20%)と紅丸(15~18%)の2種類が圧倒的に多い。男爵やメークイン、キタアカリなどのいわゆる食用イモはでんぷん質が低くて加工には適さない。
なお、赤い紅丸や花標津という品種は花が白く、逆にメークインやコナフブキなどのいわゆる白イモほど花がピンク色をしているのがジャガイモの不思議でもある。(ひ)

<原生花園方向からは工場の貯蔵塔が白く見える>





