2011年05月10日

大学構内にある一周五キロのトレール


 <網走湖を眼下に見下ろすことのできるビューポイント>

網走市にある東京農業大学オホーツクキャンパスの中には、一周すると5キロにも及ぶ「オホーツク・ファイン・トレール」が設置されている。

トレールとは踏み分け道、人が歩ける程度の道を意味する言葉で、アメリカには全長が3000キロもあるロングトレールが整備されている。

カラマツの多い広大な人工林の一部を使用して建設されたキャンパスは、今も校舎のすぐそばに森が迫る、自然環境の豊かな場所にある。

「オホーツク・ファイン・トレール」は大学に隣接した森を学生たちの実習や自然の生態観察に活用し、市民にも広く開放して、森の中をゆっくりと歩く面白さを知ってもらうという目的で作られた。 

下草が刈り取られ、要所要所に案内板が設置された「オホーツク・ファイン・トレール」の造成は、学生のボランティアや大学の教職員の手によってすすめられた。

簡易な散歩道のある大学は珍しくないが、日本全国を探してもキャンパス内に全長5キロにも及ぶトレールがある大学は、東京農業大学オホーツクキャンパスしかない。 

実際に「オホーツク・ファイン・トレール」を歩いてみると、トレールの周辺には豊かな自然が残っていることに気がつく。

木々の植生が刻々と変化するので飽きることがないのだ。ここを根城にしている鳥たちもたくさんいるのでバードウオッチングにも最適で、エゾシカの姿を見かけることもよくあるそうだ。

網走湖やオホーツク海、知床半島を見渡せるポイントも各所にある。 

現在、トレール周辺の人工林では「どのようにして木を扱い、植樹などを進めていけば、単純な人工林を多様な生態系を持つ豊かな森に誘導できるか」という課題が様々な角度から研究されている。 

森林には二酸化炭素を吸収して酸素を作り出す役割があるが、全国で放置された人工林の荒廃が問題なっている。

これらをできるだけに効率よく豊かな森に変える技術を確立することは、1997年に議決された京都議定書の目標を達成するためにも必要不可欠なことである。

森の機能を研究すると同時に学生や市民に癒しの場を提供する「オホーツク・ファイン・トレール」の存在意義は、これからますます大きくなるだろう。(く)